いちリサーチャーの日記

勉強の記録や自分の生活の観察、考えたことなど

専門統計調査士の勉強をする

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とりあえず、3年分の過去問を解いた。自分の傾向を見てみると

  • 正答率はギリギリ7割くらい。
  • 調査系で外れるのは抽出とか調査員の不正チェック。
  • 統計系は雰囲気で正解してるのもあってお粗末な感じ。

2014年が極端に統計系の問題が増えていたのもあり、その辺は時間を取って勉強した方が良さげだなぁ、というのが印象。

試験日が11月末なので本格的に勉強するのはもう少し先でも良いかなぁと思っているけど、参考書くらいは探そう。

専門統計調査士の勉強をする②「データの利活用の手法」をどう勉強するか問題 - いちリサーチャーの日記

【読書】インタビュー調査のすすめ方/福井遥子

インタビュー調査のすすめ方/福井遥子 を読みました。

お客さまの“生の声”を聞くインタビュー調査のすすめ方

お客さまの“生の声”を聞くインタビュー調査のすすめ方

 

 

本の概要

企業(調査会社でない事業会社)が自社でインタビュー調査を行えるように、というノウハウ本。主に1to1のインタビューについて。

  • Part1~2
    インタビュー調査とはどういうものか、得られる情報がどう仕事に役立つか、実務担当者が自分で調査を行うことのメリット
  • Part3~5
    「商品開発」、「デザイン、広告」、「不振脱出」のビジネス課題にインタビュー調査をどう活用するか
  • Part6~10
    インタビュー調査の実際の進め方。企画~実施~分析~戦略立案のステップに沿って各段階でのノウハウ 

 

本の感想

 企業の実務担当者向けに書いた本ということで、part10の調査結果を生かした戦略立案の項があるのが特徴的だと感じた。

前半は定量調査の対象者設定や調査企画書・調査票作成と同様だなぁ(ので定性調査のノウハウを得ようと思った場合はそんなに…)と思ったけれど、part10を中心に企業マーケターの視点があるのがおもしろかった。

「発言をそのまま鵜呑みにして、消費者の言いなりに商品開発するのではダメ。消費者の声はあくまでヒントという『材料』。それをいかに仕立て上げるかはマーケターの力量」や「『消費者重視の戦略』は要望をそのまま実現するのではなくその裏にあるニーズを見極めたもの」というような部分には元企業マーケターならではの矜持が感じられた。

  • 言葉で語られる未充足ニーズは実現不可能技術革新の領域であることが多い。未充足ニーズは行動に表れる
  • 既存ユーザーの声(高度な要望)を聞きすぎると過剰品質になる
  • 価格が高い=興味が無いかもしれない

などは、なるほどなぁと思って興味深かった。

 

本を読んでの自分に対する気づき

読みながら、印象に残ったところを抜き書きしていたらpart8~10の部分が明らかに多かった。(part8:話を聞き出すノウハウ・part9:発言内容の分析・part10:調査結果の戦略への活かし方)

マーケティング云々とはまた別のところで「 betterなことをすることで、mustなことが疎かになったり、息切れしてしまったりしがち。」という一言は、印象に残った。優先順位大事。

 

以下は自分のための抜き書き

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セブンコーヒーで変わったこと

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昨日今日は比較的ましになったけれど、今年の夏はとにかく暑い。気がつけばセブンイレブンのアイスコーヒーを頻繁に飲んでいる。

かなり昔の記事なのだけど、

セブンカフェはただ売れているだけではない。缶コーヒーを購入する客は7対3で男性が多いがセブンカフェは男女ほぼ同数。その女性のうち、大半はこれまでセブンで缶コーヒーやチルドコーヒーを購入したことがない新しい顧客層だ。(週刊東洋経済2013年7月8日)

セブン、独り勝ちの秘密 | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

という記事を以前読んでこれは自分のことだなぁと思ったので、自分とセブンコーヒーの関わりについて掘り下げて考えてみた。

 

もともとどの程度コーヒーへの関与があったか

・缶コーヒー、チルドコーヒーはほぼ飲まない。

 →味がおいしいと思わないし、缶からコーヒーを飲むのがあまり好きではない。

・自宅でコーヒーを飲むことはあまりない。

 →平日の朝はあわただしく家で朝食を食べることはあまりない。

  夜は眠れなくなりそうなので飲もうと思わない。

  休日は出かけてしまうことが多い。

・カフェ・レストランではコーヒーを飲む。

 →食事とセットにするドリンクはコーヒーを選ぶ。

  本を読むなど食事以外の目的でカフェに入る時も、コーヒーを頼むことは多い。

 

セブンコーヒーをどういうシチュエーションでどれくらい利用しているか

朝会社に行く前に購入してほぼ毎日会社で飲んでいる。昼食帰り、外出帰りなどに買って帰ることもある。帰宅時や休日などに買って家で飲むことはあまりない。

 

セブンコーヒーでセブンイレブンの利用頻度や購入金額は上がったか

もともと職場に近いコンビニでよく使っていたが、暑いのもあり、アイスコーヒーになってからは朝食などを買う用事がなくてもコーヒーを買いに寄ることが増えた。なんだかんだガムなどもついでに買ってしまうので購入金額は上がったと思う。

 

代わりに何を買わなくなったか

自分が主にコンビニで朝買っているのは

「おにぎり/サンドイッチ」「お茶/水」「嗜好飲料」「お菓子」

この「嗜好飲料」というのは、C1000だったりアサイードリンクだったりグレープフルーツジュースだったり豆乳だったり目についた新発売の飲料だったりしたのだけれど、ここがコーヒーに置き換わっている。

それから、職場にカップ自販機があってコーヒーが買えるのだけど、久しぶりに買ったら酷くまずく感じて買わなくなった。

カフェでコーヒーを飲む頻度は特に変わっていない。(コーヒーを飲みにではなく、場所として利用するために使うことが多いので)

 

ファミリーマート・ローソンのコーヒーではダメなのか

それぞれでコーヒーを買ったことはあるが、ほとんど使っていない。今は立地の条件が大きいのだけれど、以前職場の最寄がファミリーマートだった際にあまりコーヒーを買った記憶がないので、セブンコーヒーだから買っているのはあるかもしれない。

正直味の違いはあまりわからなくて、コーヒーをレジで精算する・マシンで注ぐのオペレーションやマシン周りの導線、マシン操作性がセブンイレブンが一番良いように感じている。台数が多かったり、マシン前が入口の自動ドアが開いてしまう場所でなかったり。朝は急いでいるのでイライラした記憶があると無意識に使わなくなるのかなと思った。

 

セブンドーナツは買っているか

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休日に興味本位で1回買ったことはあるが、それ以降買っていない。自分は会社で飲むためにコーヒーを買っているので、職場で食べづらいドーナツは相性が悪いのかなと思う。それから朝食を自炊でなくコンビニで買っているという後ろめたさがあるので、せめておにぎりやサンドイッチなど多少は体に良さそうなものを朝食として選んでいる。甘いものであるお菓子も買うけれど、個装のチョコレートなど仕事をしながら食べやすいものなのでこの代わりになることは無いと思う。

(クーポンが頻繁に出てくるので、ドーナツは売れていないんだろうか…)

 

自分以外はどうか

職場の昼食帰りにコーヒーを買う女性は特にセブンコーヒーにスイッチしていない。カフェでトッピングつきのラテなどを買っている模様。

職場近くのセブンイレブンのコーヒーマシンは朝が一番混んでいる。マシン分3人+順番待ち2~3人が常に並んでいる状態。昼や夕方は特に並んでいない。利用客の男女比は4:1くらい。カフェオレは今のところ女性が1人買っているのを見かけた程度。

 

考えるのは大体こんなところかな…。書きながら各コンビニ・コーヒーショップ・飲料メーカーのIR資料から直近の売上の増減や企業側の解釈を合わせて見てみるとおもしろそうだなと思ったので、気が向いたらやろう。

Digital Marketing Week 2015に行ってきた②

7月23日(木)にDigital Marketing Week 2015に行ってきたので覚書その②

expo.nikkeibp.co.jp

 

聴講したプログラム

  1. 2500件のオウンドメディア開発実績とAI研究から語る、協創マーケティングの近未来(クロス・マーケティング 岸田氏、大日本印刷 高橋氏)
  2. 5300万人のT会員基盤を活用した、ビッグデータ最前線(CCCマーケティング 伊ケ﨑氏)
  3. アイトラッキング(視線計測)世界的大手。目は口ほどに物を言う~課題解決につながるアイトラッキング活用方法~(トビー・テクノロジー 蜂巣氏)
  4. 日本マーケティング学会連携企画 顧客ロイヤルティ研究~「無印良品」を題材に~(良品計画 奥谷氏、一橋大学 古川氏)
  5. BtoB企業におけるマーケティング課題とは(GEヘルスケアジャパン 飯室氏、ディスコ 小林氏、ベルシステム24 濟木氏、スケダチ 高広氏)

 

各講演メモ

3.アイトラッキング(視線計測)世界的大手。目は口ほどに物を言う~課題解決につながるアイトラッキング活用方法~(トビー・テクノロジー 蜂巣氏)

  • 角膜反射法の普及により、アイトラッキングを使った学術論文は増えている。
  • 角膜反射法は、眼球に赤外線を照射しし眼球の動きを映像解析するもの。誰でも(性・年代・人種。アジアでは眼鏡をかけた人も挑戦中)とれ、精度が高く、対象者が自由に動けるのが利点。
  • 視線データはAIDMAのうち、無意識の領域であるAttention、Interestの測定に活用できる。意識していないことを言葉で聞くのは難しいし、言葉で聞いた無意識はノイズがある。ポジ反応とネガ反応のグループの視線の差分をとるなどしてDMAの要因を探る。
  • ダイドードリンコの事例。「顧客の視線はZ型が動くので基幹商品は左上に置く」というセオリーがあったが視線計測をすると左下が一番見られていた。左下へ移動したことで売上は3割増し。
  • パッケージ評価。食べたい・覚えている・手に取った人がロゴ・キャッチコピー・写真を見たか。定番商品の場合固定ファンが同じ商品だとわかったか。キャラクター商品の場合、選択にどれくらいキャラクターが役立っているか。(キャラクター利用料は高額なので)
  • 駅構内の広告サイネージ。距離に応じてサイネージを見たか・どう思ったかなど相場を決める係数として活用。
  • TVCMの評価。視線と離脱の相関性。どのシーンで離脱したかだけでなく、何を見て離脱したかがわかる。異性の顔のアップなど。また、視線が分散していると良くないので商品が出てくるタイミングの見直しなど。
  • 製品コンセプト評価。何を重視しているか、していないか。コレスポンディング分析にかける。
  • WEBサイトなど、エリア区分を任意に設定し、そのエリアにどれくらいいたかのヒートマップが作れる。
  • 生理計測を使ったリサーチは注目されているが、その中でアイトラッキングは歴史が長く、技術的にもこなれている。

 

感想

  • 自分が聞いたプログラムの中で最もおもしろかった。どういうもので、何ができて何ができなくて、何に役に立つかがわかりやすかった。
  • アイトラッキングを使ってるよ、という方に話を聞いたところCM評価で使っていることが多いとのこと。ただ今回紹介の事例から判断すると、タイミング調整には使えそうだけど、クリエイティブ評価に使えるかは疑問だなぁと思った。
  • 自分の業務の何に使えるか考えた結果、店舗での視線計測はできたらおもしろそうだなぁと思った。実現性は低い気もするけど。

 

4.日本マーケティング学会連携企画 顧客ロイヤルティ研究~「無印良品」を題材に~(良品計画 奥谷氏、一橋大学 古川氏)

  • 顧客ロイヤリティを高める重要性は教科書で謳われているが、どうすればロイヤリティが高まるかは示されていない。
  • ロイヤリティを生み出すためには”感動を生み出す人たち”を考えなくてはならない。
  • 作り手と使い手の構造が変化すると生み出される価値が変化する。(cf.職商人、機械制工業、情報社会)SNSの発達等により、企業側が「ただの相手」から「友人」へと関係性が変わった。期待値が高まる一方で、実際に顧客に対応するのは「従業員」である(真実の姿)。
  • MUJIpassportについて。ネットストアでの購買は当たり前。売上の9割を占める店舗への送客にどう貢献するかがMUJIのテーマ。顧客時間を活性化させるこに主眼を置いている。
  • MUJIは購買チャネルがほぼ無印良品に限定されているので分析しやすい。
  • 売れているものが誰に売れているのかが重要。MUJIではメインのターゲットである30~40代の女性に売れているのであれば問題ない。そうでない時はあまりよくない。
  • CCCのような膨大なデータベースとオウンドデータベースを一緒にして考えることはあるか?→やりだしたらキリがなくもっとデータが欲しくなる。限られた情報でいかに意思決定するかが大事。現場で何が起こっているか体感が無いと分析できないし、質の悪い大量のデータよりも質が良いデータ。
  • 人工知能についてどう思うか?→やれる範囲を気持ち悪くない範囲に抑えるべき。機械は何が理由でその結果が出たのかは教えてくれない。カスターマージャーニーを人工知能がかいてくれ、「こういうマーケティングをしたら○%の確率で○%売上が上がる」という提案をしてくれるなら良いと思う。

 

感想

  • 古川氏の技術進化等の機能の変化と作り手と使い手の構造変化の話がおもしろかった。古川氏は学術側の方としてきていたけれど、新しいものへの期待も高いのかなと思い興味を持ったので、著作やWEBでの情報発信がないか調べてみたい。
  • 無印良品について、チャネルが単一でほぼ全て把握できるといういうのはかなり特徴的だよなと思った。
  • コアターゲット以外に売れている時はあまり良い状況ではないという解釈は、おそらくこれまでの分析からの知見なのだろうけど驚いた。他の会社でもどのような商品だったら当てはまるだろうか?
  • ビッグデータよりスモール&スマートデータとか、体感が無いと分析できないよというのは同感。

 

5.BtoB企業におけるマーケティング課題とは(GEヘルスケアジャパン 飯室氏、ディスコ 小林氏、ベルシステム24 濟木氏、スケダチ 高広氏)

このプログラムは後ろ1時間だけ聞いたのと、ターゲットが明らかにBtoB企業の中の人だったので印象に残った部分を簡単に。

  • コーポレートサイトの中でマーケティングをするのはあきらめた方が良い。ただ、現状トラフィックがあるなら導線誘導はできる。現状のインバウンドトラフィックはどののどのような質か?
  • 営業にサイトから来た見込客を渡すが動いてくれないというのは、1年目によくおこる現象。どの程度の案件で営業を動かすかは明確に定義しておくべき。1,700件から20件に絞ってようやく動くくらい。追ってくれるかは渡すものの質。
  • 営業を投入すべき顧客は、既存・大口で之からも売上が見こめる顧客ではないか。
  • 日本の営業はこれまで100%引合。マーケティングが作った引合が5%も入ることはない。うまく回っても20~25%が限度。
  • インサイドセールスを営業キャリアのトップに置いた方がよいのではないか。ベテランが社内にいた方が周囲に支持もでき、またベテランの方が電話のみで状況把握がしやすい。
  • お客様が残すデジタルな情報を活用するのがデジタルマーケティング。企業側がデジタルなツールを使うことを指すのではない。

感想

  • 「営業が動いてくれない」はスタッフあるあるなのかなと思った。ただ、自分としてはそう言っている人は営業の仕事感がわかっていないのでは?という印象が強い。一番コストがかかる「人を使った営業」をどこに充てるのかは、もっと上位の経営寄りの課題ではないかと思う。

 

雑感

  • 初めて参加したけれど、活きた事例が聞けておもしろかった。ただ、プログラムにより当たりはずれがあるので、来年参加するとしたらもう少し情報収集に時間をかけたい。
  • 釣りタイトルみたいなのは辞めてほしい。
  • 会場はMacBookAir率高め。講義録を作っている人が多くて、PC持ち込みは便利そうだと思った。ミニノートが欲しいなぁ。
  • 誰か他にも感想など上げてくれている人がいることを期待。ただ書いてみて分かったけど結構大変ですね。

TCC TALK「尾形さんって、なに考えているんですか。」に行ってきました。

TCC広告賞展2015のトークイベントに行ってきました。

 概要

ルミネのコピーで有名な尾形さんに、参加者から事前に募った質問を聞いていくという催し。質問数はなんと160問。

モデレーターを立てて対話をするという形式ではなく、質問をある程度カテゴライズしながらスライドに映したものに、淡々と尾形さんが答えていく形式。

質問を見たところ、参加者は就活中の学生さんや同業であるコピーライターの方が多かった印象。

 

印象に残った質問とその答え

※あくまで当方のメモによる書き起こしです。

Q.コピーはどこから考える?考えるプロセスは?

A.核となりそうなものを探すところから。そこに時間の半分程度を費やす。核となるものが見つかったら、周囲のコピーライターやADに言われそうなこと、実際にポスターになって風が吹いていない感じなどを想像して、自分で考えた核をどんどん否定していく。それでも行ける核かどうか。広告は見るも見ないも自由という辛い環境に置かれるものなので、その辛い環境に耐えれるものである必要がある。

紙に書いてしまうと次の1歩になってしまうので、紙に書く前の自由に考える時間を長くとるようにしている。

 

Q.「運命を狂わすほどの恋を、女は忘れられる。」というコピーはどのようにして生まれたか

A.ファッション(洋服を売ること)は夏から秋の変わり目が1番難しいと考えている。春は1月であっても、花柄やパステルカラーを見たら気持ちが春に向くが、夏の暑い日に長袖を試するのは嫌。ニットに触りたいなどと思わない。

気持ちを秋の世界に持っていくには強い言葉が必要だった。ADの関谷さん、カメラの蜷川さんととにかくドラマチックに、と写真を見て考えた。写真も建物を内側に傾けることで、女の子に特殊な力があるように見えないかなど。次に進んでいく女性の心理を描こうと思った。

「運命を狂わすほどの恋を」という上の句はできていた。下の句を考える中で、男性はどうなんだろうということで30歳くらいの若い男性のコピーライターに深夜2時くらいに話を聞いてみた。中学時代の恋愛について昨日のことのように語ってくれた。女性だったらどういうだろう?と考えた。「女は忘れられる」

 

Q.「試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。」というコピーができた経緯

A.実体験でも取材でもない。自分はわりと洋服が好きだが、試着室で誰かを思い出すタイプではない。試着室で自分の顔も見ずに洋服ばかりを見ている。そこから零れているものがあるのではないか、というのがヒントになった。

 

Q.情報収集やそこから噛み砕くことをどうやっているか

A.接触してより、室内で人のことをみることが多い。何かを知りたくてよりぼんやりと。噛み砕くとき、あえて忘れるようにしている。日常で入っていくるものすごい情報量の中で、それでも残っていたものは何か気になるところがあったものなんだろうと思っている。

 

Q.言葉をどうやって選び並べているか。一番大切にしていることは?

A.反応力。相手が何を求めているのか。オリエンのブリーフやクライアントとのやりとりからいかに深く感じ取れるか。

それから、課題に対して都合の良いことを書いてしまっていないか。どうしても手前味噌なことを書いてしまう。オリエンはクリアできるが、世の中に対して耐えうるものであるか。15年やっているがそのことをいまだに忘れてしまうことにびっくりする。自分やクライアントによって都合が良すぎないか。

 

Q.コピーに対してのジャッジの基準は?

A.頭で考えて、感覚で判断する。自分のコピーはポエムと言われがちだが、ポエム先行で考えているわけではなく、世の中の状況やファッションの置かれている状況を頭でっかちになって考えている。なので判断するときは生理的に受け入れてもらえるか。どんなにオリエンに対して成立しているものでも、風が起きないなという感覚でボツにすることはたくさんある。

 

Q.クライアントをどのように説得しているか

A.このコピーがいかにオンブリーフであるかを説明する。このコピーがあると、こういう形でブリーフに戻っていけます、課題を解決しますということを逆から戻っていく。

 

Q.アイデアの作成方法

A.「今日お昼何を食べたらおもしろいかな。昨日も一昨日も蕎麦だったから蕎麦がおもしろいかな」とか、どうしたらおもしろいか考えている。くだらないこと。意外と大事。

 

Q.ターゲットに刺さる言葉をつくるためにどうしているか

A.ターゲットに100%刺さりますとクライアントに自信を持って言うことは難しい。最後の最後は反応が出るまでわからない。

 

Q.女性のコピーライターであることについて。損か得か。女性の気持ちに添えるコピーを書いていてすごい。

A.女性の気持ちをどこまでリアルに想像しているか。女性のことを四六時中考えている男性のコピーライターがいたら勝てないのでは。「女性だから」は全てではない。

女性のコピーライターは少ないので希少価値が高く下駄を履かせてもらった。一方で希少価値が高い分、性別の価値を超えるコピーが書けない。

 

Q.就活生で広告代理店に絶対に入りたいがどうすれば良いか

A.就活はしんどいと思う。1円ももらっていない会社に人間性を否定されたり。ただ、取り返しのつかないことはほぼ無い。死ぬか大事なことを傷つけるなどかなり特殊なこと。取り返しは後からつけるくらいの気持ちで。だから大丈夫。

 

Q.コピーライターとしての尾形さんの武器は?

A.自分で言うの難しい…。ある得意先に「尾形さんはものすごくコピーが書けるとかじゃないけど、そうじゃない人たち(反応しない人たち)の気持ちをわかっているのが特徴的だよね」と言われた。

 

Q.人間観察について

A.人間観察ってなんだろう…。駅からここに来るまでの道で日向を暑い暑いと言いながら歩いている人がいた。通りの反対側は日陰なのにそれに気づいていない。自分も似たようなことをしているんだろうなぁと思いながら来た。

 

紹介してくれたもの・人

<映画>

・「めぐりあう時間たち」スティーブン・ダルドリー

めぐりあう時間たち [DVD]

めぐりあう時間たち [DVD]

 

<本>

池上彰さんの本

 →難しいことをみんなに分かる形にする人がすごい。

・「あん」ドリアン助川 

([と]1-2)あん (ポプラ文庫)

([と]1-2)あん (ポプラ文庫)

 

・「広告コピーってこう書くんだ!読本」谷山雅計

広告コピーってこう書くんだ!読本

広告コピーってこう書くんだ!読本

 

<人>

・斉藤賢司さん(ホンシツ)

 

感想

ルミネのコピーが好きなのと、自分は数表を見るなど左脳側の仕事をする立場なので右脳側の人の話が聞けたら面白そうというのが参加の動機だった。

なので、感覚的なところからでなく、ビジネスにおけるシーンから考えているということがとても意外だった。

「著名なクリエイター」というような目で見てしまっていたのだけれど、社会人であり、同じくビジネスをしている人なのだなという風に思った。特別なプロセスや物の見方から生まれているのでなく、真摯に仕事をした先に生まれているコピーなんですね。

それからやたら「女性」絡みの質問が多くて驚いた。「女性コピーライター」のコピーでなくて「尾形さん」のコピーなのになぁというのが個人的な感想。たかがX染色体はそこまで優秀ではないですよ。

それにしても、160本ノック状態で尾形さんお疲れ様です!という感じでした。

コピーライターの本棚を見損ねたのは残念だったけど、TCC広告賞展は楽しいイベントだった。ので来年も行きたい。

Digital Marketing Week 2015に行ってきた①

7月23日(木)にDigital Marketing Week 2015に行ってきたので覚書。

expo.nikkeibp.co.jp

 

聴講したプログラム

  1. 2500件のオウンドメディア開発実績とAI研究から語る、協創マーケティングの近未来(クロス・マーケティング 岸田氏、大日本印刷 高橋氏)
  2. 5300万人のT会員基盤を活用した、ビッグデータ最前線(CCCマーケティング 伊ケ﨑氏)
  3. アイトラッキング(視線計測)世界的大手。目は口ほどに物を言う~課題解決につながるアイトラッキング活用方法~(トビー・テクノロジー 蜂巣氏)
  4. 日本マーケティング学会連携企画 顧客ロイヤルティ研究~「無印良品」を題材に~(良品計画 奥谷氏、一橋大学 古川氏)
  5. BtoB企業におけるマーケティング課題とは(GEヘルスケアジャパン 飯室氏、ディスコ 小林氏、ベルシステム24 濟木氏、スケダチ 高広氏)

 

各講演メモ

  1. 2500件のオウンドメディア開発実績とAI研究から語る、協創マーケティングの近未来
  • 主にDNPオンラインコミュニティASPサービス MARCOについて。facebookと連携させてクローズドなコミュニティ運営ができます
  • 継続利用への評価や、行動・態度・変容のポイントがとりやすい
  • facebooktwitterなどすでにコミュニティのある企業におすすめ。大企業であればファンサイトを独自で作れるが、そうでない企業に利用しやすい
  • ファシリテーションに課題。一次対応をAIができるようにしたい。
  • リサーチ会社としてはAIに取って代わられては困るが、AIにアドバイスや補助をしてもらえるのはありがたい。

 感想

  • 表題からもっとAIの話を聞けると期待していたのでその点が薄かったのは残念。話としてはMROCをしやすいプラットフォームを作ったよ、という印象だった。

 

 2.5300万人のT会員基盤を活用した、ビッグデータ最前線

  • Tポイントは提携を拡大し、現在全人口の42.7%をカバー。うち月間アクティブは70%。フェス・イベント等へのチェックインにも活用拡大。
  • 購買履歴をSKU(最小単位)でDB管理している。
  • エリアデータを持っているため、行動商圏がわかる。
  • ID-POSを活用し、すかいらーくの再度メニュー改訂へ。どの顧客層からも支持が低く利用されないメニューを3か月ごとに改廃。
  • 顧客プロファイリングにより志向性の把握が可能。アンケートデータとビッグデータを組み合わせて欠損値を埋める。人を波形で表し、似ている波形の人に別の商品を薦める。ランダム発券の時に比べて約1.5倍(1.8倍?)のクーポン利用率。ある外車のメーカーのDM発送からのディーラー誘引も0.2%→1.0%。
  • カゴメと野菜生活×エヴァンゲリオンのマストバイCPを実施。WEBからの応募だが、応募者像が購買ベース(新規・スイッチ・リピート)がわかる。

感想

  • 購買データとアンケートデータの組み合わせやクラスタ分析、分析結果を施策に使ってその結果も正確にとれるのはおもしろい。
  • クーポン発券の効果はランダム発券でなくて、競合商品購買者に出した場合など従来やっていた方法と比較した数字が見たい。
  • 事例のところを詳しく聞きたかったのだけど、前半の企業紹介に時間を割いて後半が駆け足だったのが残念。

 

疲れたので今日はここまで。

「流行ってる」ってどの程度から認識するんだろう?

BAILAAnecanでHanesのTシャツが紹介されているのを見て、なんか流行ってんなぁと思い、その一瞬後にでも流行ってるよね!って周囲に言ったら変な顔をされるだろうなぁと思い。

 
「流行ってる」って、どの程度から認識するんだろう?と思ったのでいろいろなパターンを考えてみた。

 

1.複数の情報源から同じ情報を得る

今回のパターン。雑誌でも対象が被らない雑誌複数だったりすると、特にそう思う。ちなみに自分はTwitterで著者の方が色んな方の感想をリツイートしているのを見て、まんまと読みたくなってしまうタイプだけど、複数の情報源は別のコミュニティとか種類の違う媒体(WEBと雑誌とか)の方が流行ってるとは思いやすいかな、と思った。

 

2.媒体とリアルで見る

ブログで話題になっているなぁと感じた商品が店頭の良い場所にディスプレイされていたり、一部欠品していたりする時。ダニエルウェンリントンとかUNIQLOガウチョパンツとかのケース。

 

3.テレビで特集されているのを見る

自分はテレビの場合、へぇ流行ってるんだと素直に受け止めやすいのであえて項目を分けた。

なんだかんだ信頼しているのか、あるいは視聴率を取らなければならないものだから流行ってなければ取り上げないだろうという気持ちがあるのかもしれない。

いつぞやのラッスンゴレライとか比較的最近だと蔦屋家電とかのケース。

 

4.流行に疎いと思う人が知っていた

若干失礼な話ではあるけど。例えば田舎の両親が知っていたとか。去年の妖怪ウォッチとかのケース。

イノベーター理論で言うところの、レイトマジョリティ・ラガード層に情報が行き渡ったなと感じるのだと思う。

 

今時点で考えついたのはこんなところ。1と2は複数ソースから情報を得たことで、3と4は大衆にまで情報が行き渡ってると感じたことでという感じかな。

逆に考えると、色んな媒体に情報をちょこちょこ流すか、マスで大量に流すかすると「流行ってる」は作れるのかもしれないですね。