いちリサーチャーの日記

勉強の記録や自分の生活の観察、考えたことなど

LINE DEVELOPER DAY2019レポート①Keynote

今年度、初めてLINE DEVELOPER DAYに参加しました。

コンテンツが量・質ともに豊富で、書きたいことがありすぎるので、全何回になるかわかりませんが、自分が参加したものを中心に少しずつレポートをあげていきたいと思います。

なお、

  • 資料や動画は公式参照が良いと思うので、自分自身の感想や社員の方と話した内容が中心です。(後者はどこまで書いてよいのか判断に迷うので、基本的に一旦OPENにさせて頂いた後、ご指摘があれば削除・修正を行います)
  • 網羅性はありません。

今回の記事にはありませんが、社員の方に個別にお伺いした内容はタイトルに*を付けていきます。

 

Keynote / LINE Park Euivin 

speakerdeck.com

ユーザーの生活のあらゆるシーンをサポートするライフラインへ LINEの技術的挑戦 - ログミーTech

最初の話題

ここは、決済事業の話で、やはりという印象。ITのTOP企業*1を筆頭に、各業界の大手が狙っているなと感じる。Keynoteでは特に言及は無かったが、情報銀行も含めてしばらくHOT topicsだろう。

昨年はどうだったのか気になって見返してみたところ、「Conncet(オンラインサービスとオフラインを人単位で繋ぐ)」だった。

なお、公開資料のスライドベースで同じレイヤーになるものを比較すると、今年は「LIFE with LINE」だったというべきなのかもしれないけれど、Keynoteを聞いていた印象では決済事業だった。この辺りは継続して参加された方の印象を聞いてみたい。

 

データ連携

各サービスのデータを、横串をさして分析できるようになる、という話は期待が高まった。横断的分析については、「おもしろそう!」という気持ちと、「裏側の連携と事業的な発見/インサイトの抽出が大変そう」という気持ちとどちらも抱いている。仮説構築や計画性が必要そうである。

SmartChannelが一例として紹介されていて、自身のもので何が表示されているかを見たら芸能ニュースで少し悲しかった。 これはLINEに限らず他のサジェスト機能(WEB広告やAmazonのおすすめ)でもそうなのだけれど、それが表示されている理由に思い当たる節が無く自分では親和性が低いと思っているものが表示されると、私は「自分を誤解されている」という印象を抱く傾向にある。

 

顔認証

これは入場時利用しなかったので、セッションを聴いた後に試しに行ってみた。登録写真をB612という弱めの加工が入るアプリで撮った写真にしてみて、自分自身は無加工で挑戦したところ、無事認証された。

本当はsnow*2など加工が強めのアプリが認証されるか(許容度のチェック)や、自分とそれなりに似た他人が認証されるか(異常系のチェック)もやってみたかったのだけれど、準備不足でできなかったのが残念である。

 

AI OCR

これは本題から逸れるのだけれど、フォント生成の話を聞いて、佐藤雅彦さんの「”これも自分と認めざるをえない”展」の『佐藤雅彦さんに手紙を書こう』を思い出した。2010年の時点で、自分の属性が自分から切り離されることの気持ち悪さに言及しているのは凄いなぁと思う。

www.masahicom.com

LINE Ai Call

外食産業と新サービスの親和性は高そうだと感じた。

外食産業の中でターゲットとなりやすい団体客での利用ニーズは、コミュニケーションの生まれるところにあるだろう。それから、外食産業でマーケティング予算を持っている大企業はいわゆるチェーン店で、LINEの高頻度利用者と重複が多い*3ように思う。

また、電話とLINE/WEB予約のどちらが心理的抵抗感が少ないかが気になって、近いリサーチが無いかを探した。TableCheckが2018年4月20日に実施した調査結果が見つかり、

同社の調査によると、飲食店の予約手段では全世代平均では「ネット予約」が半数超に。年代別で見ると、20代は「ホットペッパー」(56.7%)、「食べログ」(45.1%)、「飲食店の自社ネット予約(ホームページ)」(45.5%)とネット予約がトップ3となったのに対し、年代が上がるほど「電話予約」が主流となり、50代では65.4%に。ただし、50代でも、「ぐるなび」と「飲食店の自社ネット予約(ホームページ)」がそれぞれ30.7%となるなど、ネット予約を行なう人も少なくない。

 とあったのだけれど、

  • 実施主体が飲食店ネット予約顧客管理システムを提供している
  • 明示はされていないが、実査機関が1日でn=906なので、おそらくインターネット調査と思われる

ので、実態はもう少し電話側に寄ると思う。

余談だが、当該調査はおそらく世代別の均等割付(n=200?)で、業界的にはよくある設計なのだけれど、ビッグデータ周りの分析(豊富なサンプル数と厳密と思われる検定)を見た後だと、いいのかなぁ…という気持ちになってくる。

 

Verda(プライベートクラウド

LINEの大規模インフラを支えるプライベートクラウド「Verda」の要諦と、セキュリティ強化の取り組み - ログミーTech

プライベートクラウドを選択しているのは課題解決を優先しているから(他人任せにしたくない)」という説明が印象的だった。

数ヶ月や数年かかることを「長い」と表現していて、もはやdog yearですらないんだなぁと思った。

 

機械学習によるフェイクニュース判定サービス

これは自分の関心領域とは異なるが、未来だなぁという感がありおもしろかった。ただ、自分自身が真偽の判断を放棄してLINEの機械学習サービスに判断を任せるという意味では本質的には同じなのでは・・・という気がしないでもない。

ただ、フェイクニュースからデモに繋がったという事態が起こっている文脈においてはサービスの意義はあると感じる。

 

*1:この括りはしっくり来ていないのだけど、今一つ他の良い名称が思いつかない

*2:最近の若い人はもう使わないんですかね。流行りがわからないのは良くない。女子高生の知り合いが欲しい

*3:これは内部データを持っていないので、印象論の域を出ない